にっぽん女優列伝(72)香川京子 - Cape Fear、in JAPAN

31年12月5日生まれ・86歳。

東京出身。

斉藤由貴中森明菜に夢中だった中学生のころ―。

レンタルビデオなどで昔の映画を観るようになって、モノクロームの時代に輝いていた女優さんの何人かに恋心を抱くようになりました。

チャップリン映画の後期を支えたポーレット・ゴダード

久我美子

そして、香川京子(かがわ・きょうこ)さんです。

黒澤映画を積極的に観るようになった理由は、もちろん映画として興味を抱いたところが大きかったはずですが「京子さんが出ているから」というのもありました。

小津の映画を観ても原節子にはピンとこず京子さんばかりに注目し、

高校1年生で溝口の最高傑作『近松物語』(54)に触れることが出来たのも、京子さんが主演だったからです。

この映画が、京子さんのキャリアにおける到達点だと思います。

いわゆる不義密通の物語ですが、ラストの京子さんの力強い表情に感動し、長谷川一夫に嫉妬心さえ抱いたものでした。

※「日本の時代劇は大スターがダメにしている」と名指しで批判していた長谷川一夫を敢えて起用、

鬼の演出家といわれた溝口ですもの、現場はピリついていたでしょうなぁ。。。

<経歴>

49年―「ニューフェイス・ノミネーション」(東京新聞主催)に合格し、新東宝に入社。

翌年、『窓から飛び出せ』で映画女優デビューを果たす。

この可憐さですもの、瞬く間に人気者となり、数多くの映画に顔を出すようになります。

細雪』(50)、『東京のヒロイン』(50)、『高原の駅よさようなら』(51)、『上海帰りのリル』(52)、『おかあさん』(52)、『モンテンルパの夜は更けて』(52)、『稲妻』(52)、

53年は当たり年といえそうで、

ひめゆりの塔』、小津の『東京物語』で印象に残るキャラクターを好演する。

『叛乱』(54)、安寿を熱演する『山椒大夫』(54)、『母の初恋』(54)、前述した『近松物語』、

『獄門帳』(55)、『しいのみ学園』(55)、『王将一代』(55)、『奥様は大学生』(56)、『女囚と共に』(56)、『新平家物語 静と義経』(56)、『猫と庄造と二人のをんな』(56)、『流転』(56)、『あばれ行灯』(56)、『森繁よ何処へ行く』(56)、

女殺し油地獄』(57)、『大阪物語』(57)、『柳生武芸帳』(57)、『女であること』(57)、そして『どん底』(57)で初めて黒澤映画の一員となる。

『日本誕生』(59)、『人間の壁』(59)、『風雲児 織田信長』(59)、

足の悪い嫁を演じた『悪い奴ほどよく眠る』(60)、

『幽霊繁盛記』(60)、『大坂城物語』(61)、『黒い画集 ある遭難』(61)、『モスラ』(61)、『明日ある限り』(62)、『早乙女家の娘たち』(62)、『天国と地獄』(63)、「狂女」を全力で演じてみせた『赤ひげ』(65)。

京子さんは63年に新聞記者の旦那さんと結婚、『赤ひげ』撮影後には旦那さんの赴任先(ニューヨーク)に同行したため、しばらく芸能界から離れることになりました。

撮影期間が長いことも関係しているかもしれません、帰国後はテレビを中心に活躍、映画は「特別出演」のような形で関わるようになります。

華麗なる一族』(74)、『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』(75)、

マドンナを演じた『男はつらいよ 寅次郎春の夢』(79)、

『式部物語』(90)、『まあだだよ』(93)、『深い河』(95)、『Shall we ダンス?』(96)、『ワンダフルライフ』(99)。

阿弥陀堂だより』(2002)、『赤い鯨と白い蛇』(2005)、『自由戀愛』(2005)、『BALLAD 名もなき恋のうた』(2009)、

本人役を演じた『インターミッション』(2013)、『青時雨』(2015)、『東京の日』(2015)、『天使のいる図書館』(2017)、そして最新作は『おもてなし』(2017)。

現在86歳、

黒澤の特集上映企画などで、ときどき姿を見せてくれますが、いまだって可憐で驚いてしまいます。

次回のにっぽん女優列伝は、加賀まりこさんから。

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明日のコラムは・・・

なごやん。と、惚れ確率』